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5月, 2017の投稿を表示しています

downy

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downy(ダウニー)について書くのは憚られるところがあったのですが,ここに並べないのもどうかなということで書きます. downy 愛好家に頼もうとしたら「記事が無限に長くなる(大意)」と言われたので,書いたものを見せて監修してもらおうと思います(追記: 特に何も言われませんでした). downy は日本の Postrock バンドで,進化し続けるバンドです.活動期間は 2000-2004, 2013- と,間に長い休止期間を挟んでいます.便宜的に前者を前期,後者を後期と呼びます. downy の制作アルバムはすべて無題(タイトルが記載されていない)であり,何番目のアルバムであるかで区別されます (大手音楽ソフトのデータベース上では「第 N 作品集『無題』」というアルバム名のようなものが付いています) .2017 年 5 月現在までに,前期に 1st - 4th,後期に 5th - 6th をリリースしています.また 5th を出した後に,前期のアルバムのすべてを「再発」として再リリースしています.他にも 5th のリミックスアルバムなどを出しています. まず初めに話すのは Vo.&Gt. の青木ロビンさんについてです.downy の曲にはすべて日本語の歌詞があるのですが,その歌唱はスキャットに近く,日本語には聞こえにくいものです.またその内容も印象を強調した文学的なもので意味を取るのは難しい(意味のない)歌詞になっています (これも魅力の 1 つなのでチェックしてみてください) .この独特なヴォーカルが downy の変化し続ける音楽性に,ある種の一貫性を与えている大きな要因だと思います. 次にリズム隊です (ドラムスの怪我による脱退で,3rd からは秋山タカヒコさんがドラムスを担当しています.そのため 3rd 以降を基準にして書きます) .変拍子やポリリズムやスリップビートなど複雑なリズムをタイトにバシッと演奏するのが downy です.でもその中にグルーヴは残っているんです.この辺りは聴いてもらわないと伝わりづらいかもしれません. 音楽性が大きく変化したのが 4th で,暗く不気味な雰囲気を演出していたギターが打って変わってメロディとして前面に出てきます.5th からはシンセサイザーがいくつかの曲にに大きく取り入れられ,6th では...

Geskia

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Geskia(ゲスキア)は Beat Scene, Electronica 方面に強いアーティストです.Geskia! 名義のときもあります. 経歴を調べ上げるのが面倒だったので CD 音源を持っているアルバムの名前を挙げます.「President IDM (2nd)」「Alien (3rd)」「Silent Of Light (6th)」「SFIMT (7th)」の 4 枚です.アルバムごとに作風がそこそこ変わるので,これが彼の音楽ですと挙げるのは難しいところがあります. President IDM: Electronica 寄り?の Hip Hop のアルバムです.ところで IDM (Intelligent Dance Music) ってこんなんでしたっけ(調べたら実験的なものも少なくないみたいです).Hip Hop が好きなら一度聴いてみる価値ありかもです(果たしてこれは Hip Hop なんでしょうか). Alien: ビートが前面に押しだされた Techno 方面のアルバムです.Breakbeats を知っている人なら似た雰囲気を想像してもらえると少し近いかもしれません (TaQ の音楽が好きな音ゲーマーは気に入ると思います). 参考動画への リンク を張りますがあまり音質は良くないです. Silent Of Light: [オススメ] 一番聴いているアルバムです.都会的な冷たさと優しさを感じる HiFi な Electronica が特徴的です.アルバム全体で一つの世界観があるように感じられます.好きなので曲へのリンクを張ります.「 Constract Contrast 」という曲です(本当は CD 音源で聴いてほしいです). SFIMT: Silent Of Light から独特の進化を遂げた Electronica 方面のアルバムです.これも好きなので動画を埋め込みます.「 Afterhours 」という曲です.Silent Of Light と比較してヴォーカルサンプリングを多く取り入れた実験的なサウンドになっています. CD 音源で聴いてください.以上です.

宇宙コンビニ

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宇宙コンビニは京都発の 3 ピースバンドで,とってもユニークなバンドでした.残念ながら現在は解散してしまっています. 音楽のジャンルは Progressive Pop と 公式 HP に書いてありますが,もう少し丁寧に表現すると幻想的・宇宙的な Math Rock に近いなにかです.でも曲調は Pop なのでやっぱり Progressive Pop でしょうか.中には instrumental 曲もあります.うまく言い表すジャンルが無いのは個性的であることの証左だと思います(自分が知らないだけかもしれませんが……). 2013 年 10 月に「染まる音を確認したら」,2014 年 8 月に「月の反射でみてた」というミニアルバムをリリースしています.音楽性はこの 2 つのミニアルバムを通しておおよそ一貫しています.どちらがおススメかと聞かれるとすごく難しい質問になります. タッピング奏法による柔らかく細かなギターのメロディと,癖になるテクニカルなリズム構成の上に,ふんわりとしたヴォーカルが乗るのでもう最強です.癖になったらおしまいです.定期的に聴きたくなります. 魅力を伝えるには普通の MV より Live 映像の方が適していると思ったので「 Last Live "EverythingChanges" 」を埋め込んでおきます.流れるように入る 3 曲目(4:19-)の「8films (染まる音を確認したら)」は途中から本来の曲のテンポの 1.3 倍くらいで演奏し始めるので是非見てみてください.パッと想像するより速いと思います. あと「 EverythingChanges 」単体でも動画を埋め込んでおきます. ついでなので iTunes への リンク も張っておきます. 以上,気になったら是非是非チェックしてくださいませ.

Teebs

Teebs(ティーブス)はアメリカ合衆国の音楽プロデューサー(作曲家)です.Hip Hop 楽曲のビート部分を提供していた経験があり,それをルーツに Electronica を作曲しています.TSUTAYA のジャンル表記では Beat Scene, Electronica でした. CD 音源を持っているのは現時点での最新アルバム「E S T A R A」だけなので,内容は E S T A R A に準じます.音楽性は過去の作品を通して似通っていると思うので,まずは E S T A R A に手を出せば間違いないです. Teebs の楽曲の特徴はその独特の音の質感で,いい意味でクリアな音ではなく(ローファイ),脳を揺さぶる心地良さがあり,この音を真似できる人はなかなかいないんじゃないかな,なんて思っています.音の加工も素晴らしいし,ベロシティ(音量)の弄り方,曲展開の仕方など,様々な箇所に繊細な気配りを感じます. 少し探せば [1] Teebs / E S T A R A を聴ける場所があると思うのでちょっと探してみてください.おススメは M-2「View Point」です.ここでは Amazon への リンク を張ってお茶を濁しておきます.

COgeNdshE

COgeNdshE(コグエンドシー)というバンドがありました.残響レコードから 1 枚のアルバム「cogency」を 2012 年に出してからしばらくして活動を休止,現在は実質的に解散状態となっています. 自分の中でジャンルは Postrock だと思っていますが,ヴォーカルは Pop を意識しているように感じられます (余談ですが,ヴォーカルの藤江香織さんはハイスイノナサの旧メンバーです [1] ) . downy というバンドを知っている人なら,リズム隊の質感が似ていると感じられると思います.変拍子やポリリズムが多用される音楽性ですが,ヴォーカルを追っていれば聴くのは難しくないはずです.全体を通して曲構成はミニマルで,暗い雰囲気で統一されています. 1 曲だけ YouTube に公式 MV「 錯乱 」が存在しているのですが,ライセンスの関係でページ内に動画を埋め込むことが出来ないので,上のリンクから飛んでもらえればと思います. というより bandcamp で  cogency  を全曲試聴できるのでこちらから聴く方がいいかもしれません .bandcamp から削除されてしまったようです. iTunes  に音源はあるのでぜひ試聴してみてください. 錯乱が気に入れば他のすべての曲が気に入ると思いますし,そうでなければこのバンドを聴くのは時間の無駄だと思うので,とりあえず錯乱を聴いてください.よろしくお願いします. [1] コメント欄にある通り,訂正しました.助かります.(2017.07.03)

jizue

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一番最初に書くのはやっぱり jizue(ジズー)かなということで jizue について書きます. jizue は instrumental 系の 4 ピースバンドで,ジャンルは一応 Jazz Rock らしいんですが,すべてのアルバムを通して様々な種類の曲が入っているので Postrock, Electronica っぽい曲だったり,ゆったりとした Jazz っぽい曲だったりと一言で語るのは難しい音楽性を持っています. 2017 年 5 月現在でアルバムを 5 枚(うち 1 枚をリマスタリング *)出しており,古い順に *Bookshelf, novel, journal, shiori, Story となっています.だいたい 1, 2 年ごとにアルバムが出ています.メジャーデビューも決まっているようです. 特徴はなんといっても変拍子,というと各位に怒られそうですが,初期の頃の曲,とくにデビュー曲の「Rain Dog」はかなり複雑な拍子で構成されています.作品を重ねるにつれて,ライブでのノリを意識して変拍子を抑えているようですが [1] ,それでも自然と 4/4 でない拍子であったり複雑なリズム構成であったりと,何度も聴かないと構造が分からない工夫が随所に盛り込まれています.ドラムの心地いいリズムに包まれながら,ベース・ギター・キーボードとすべてのパートに意識を向けて聴くことをお勧めします. ぜひ聴いてほしいのが Story M-2 の「 Atom 」で,複雑なことをしつつも,同時に聴きやすい音楽になっている不思議な曲です.これについては最初はあまり難しく考えずに聴いてください. Amazon Prime Music や Spotify 等に音源があるので,興味があれば聴いてみてください. 一定でない拍子が好き: Rain Dog (Bookshelf), Buzz (journal) ハードコアな曲が好き: chaser (novel), Lost Night (Story) 主旋律が謎なのが好き: bullet bull (shiori), Atom (Story) 個人的に聴いてほしい: kotonoha (novel), Five (journal) 挙げるとキリがないのでこのあたりで.魅力が伝われば幸いです.